1 術後の管理
①治療と生活管理

 僧帽弁の狭窄・閉鎖不全に対する弁形成術では,治療前からの心機能低下や肺高血圧に対する内科的治療の継続と,遺残狭窄または続発性/遺残性閉鎖不全の治療の2つに分けられる.生活規制のレベルは,心不全と肺高血圧の程度による.運動を含めた管理に関しては,不整脈も考慮に入れた循環器病診断と治療に関するガイドライン「心疾患患者の学校,職域,スポーツにおける運動許容条件に関するガイドライン」を参照されたい.

②弁置換術後の管理

 機械弁で弁置換した患者では,抗凝固療法が必要になる.人工弁置換術に伴う合併症としては弁の機能障害,弁周囲からの逆流,心内膜炎がある.この他,血栓塞栓症,重度の血管内溶血,抗凝固療法に伴う繰り返す出血と血栓弁などが挙げられる.小児期では成長により人工弁が相対的に小さくなる.体表面積補正値が60%以下になると症状が出現すると云われる.
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Ⅱ 各論 > 15 僧帽弁狭窄・僧帽弁閉鎖不全 > 1 術後の管理
 
先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
(2012年改訂版)

Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)
【ダイジェスト版】