2 心房中隔欠損
心房中隔欠損に対しては,外科治療として直接縫合閉鎖,パッチ閉鎖が行われる.適応は限定されるが,最近ではAmplatzer Septal Occluderを用いた経カテーテル閉鎖術も行われる.
合併奇形や肺高血圧が無い心房中隔欠損の予後は,年齢に依存すると考えられている.閉鎖時の年齢が25歳未満とこれ以上では生命予後に有意差があり,また15歳未満で閉鎖した場合には予後は良好と報告されている(レベルC).不整脈に対する内科治療やペースメーカ植込み術が必要となることはあるが,心不全を呈することは極めて稀とされる.
遠隔期には1~数年に一回の胸部X線,心電図,心エコーによる経過観察が望ましい.また不整脈を認める場合には,ホルターや運動負荷心電図を検討すべきである.部分肺静脈還流異常を合併した静脈洞型心房中隔欠損の術後には,肺静脈狭窄や上大静脈症候群の合併のため,外科治療やカテーテル治療の適応となることがある.これらについては,CT,MRI による経過観察を検討する.
経カテーテル閉鎖術後の中期予後はおおむね良好と考えられるが,遠隔期における心浸食(心房壁の穿孔)の報告もあり,年に1回の経過観察を検討する.
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先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
(2012年改訂版)
Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)
【ダイジェスト版】