2 先天性心疾患術後の遺残症,続発症,合併症
現在,ほとんどの疾患に対して修復手術が可能となり,良好な手術成績が期待できるようになっている.心室中隔欠損などの軽症疾患では,通常,ほぼ完全に治癒した状態になる.また,ファロー四徴などの多くの複雑疾患でも適切な時期に修復手術が行われていれば,良好なQOLが得られるようになっており,さらに,単心室類縁疾患などの重症複雑疾患についても,Fontan術が普及し,問題はあるものの比較的良好な手術成績とQOLが期待できるようになった.
長期生存例が増加するにしたがい,疾患ごと,術式ごとにおける術後の問題点の特徴が明らかになっている.軽症疾患以外の多くの疾患では適切な手術が行われていても,遠隔期に形態・機能異常が進展して治療を必要となる可能性がある.よって「根治術」という言葉は近年使われなくなりつつあり,代わって「修復術」という言葉が多く使われている.また,術前からあったものが術後に残存するものは「遺残症」として,術後に新たに生じるものは「続発症」として理解される.
次へ
Ⅰ 総論
>
1 経過観察の必要性
> 2 先天性心疾患術後の遺残症,続発症,合併症
目次
SiteMap
戻る
先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
(2012年改訂版)
Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)
【ダイジェスト版】