2 術後合併症への対応
①術後肺静脈狭窄

 肺高血圧(PH)を認めPVOと診断されれば,積極的な外科治療を視野に入れた早期検討が望ましい(クラスⅡb,レベルC).術後PVOに対して肥厚した内膜切除,心房壁や心膜などを用いた肺静脈のパッチ拡大,ステント留置やバルーン拡張術などの方法では,手術死亡および再狭窄を含む非成功率は60%前後と報告されている(レベルC)が,術後PVOの外科治療におけるsutureless in situ pericardium repairの優位性を示す報告が多く検討に値する(クラスⅡb,レベルC).

②術後肺高血圧

 PVOを発症しなければ術後PHは改善するとの報告はあるが,リンパ管拡張,diffuse pulmonary vein stenosis,肺小動脈低形成例を伴う症例では,術後PHが残存し遠隔予後は不良であり,海外では肺移植あるいは心肺移植の適応を検討されることがある.
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Ⅱ 各論 > 7 総肺静脈還流異常 > 2 術後合併症への対応
 
先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
(2012年改訂版)

Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)
【ダイジェスト版】