3 冠動脈閉塞・狭窄
①診断と再インターベンション適応

 胸痛などの臨床症状や負荷心電図,心エコー検査で心筋虚血の徴候があるものでは,厳重な経過観察と心筋シンチおよび選択的左右冠動脈造影が必須である.ASO後は非侵襲的冠動脈検査の感度は低く,成人例では冠動脈造影を含めた冠動脈評価を検討する(クラスIIb,レベルC).

 心筋虚血症状を有するもの,もしくは検査で冠動脈狭窄に伴う虚血が確認されるものは再インターベンションの適応があると考えられる.適応となる冠動脈病変としては,左右冠動脈本幹の高度閉塞性病変と危険側副路状態であり,心筋梗塞の既往のあるものでは積極的に再インターベンションを検討する必要がある(クラスIIa,レベルC).

②術式選択と予後

 経皮的カテーテル治療は有用であり,バルーン冠動脈形成術やステント留置が報告されている.経皮的治療ができないものには外科治療の適応を検討する.外科手術としては,冠動脈バイパス手術や冠動脈入口部パッチ形成術などが報告されている.
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Ⅱ 各論 > 2 完全大血管転位:動脈スイッチ術後 > 3 冠動脈閉塞・狭窄
 
先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
(2012年改訂版)

Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)
【ダイジェスト版】