三尖弁閉鎖不全: 経年的に悪化.再手術の危険因子は修復術
後の中等度以上の遺残三尖弁閉鎖不全
置換弁機能不全
不整脈: WPW症候群に伴う房室回帰頻拍,心房内マクロリ
エントリー性頻拍,心房粗細動,心室頻拍,洞不全
症候群,術後房室ブロック
突然死:不整脈死とともに主な死因のひとつ
左室機能低下:左室緻密化障害の合併や左室機能障害
チアノーゼ・奇異性血栓: 心房内シャントの残存により出現する
(レベル C)
1 術後遠隔期予後
(表10)
 三尖弁形成術後や三尖弁置換術後の生命予後は良好で,三尖弁手術後の10~ 15年生存率は約90%となっており,死亡原因は,心不全,不整脈,突然死である.術後のQOLは有意に改善するが,三尖弁に対する再手術率は両者とも10年で20%前後と有意差はなく,選択される手術は主に三尖弁置換術である.また,生体弁と機械弁との比較でも,耐用年数に有意差を認めていない.

 三尖弁手術後の三尖弁機能不全は経年的に悪化しやすく,左室病変や左室機能低下を生じることがある.また三尖弁置換術後には房室ブロックを発生することがある.
表10 修復術後の罹病
次へ
Ⅱ 各論 > 14 エプスタイン病(三尖弁閉鎖不全) > 1 術後遠隔期予後(表10)
 
先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
(2012年改訂版)

Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)
【ダイジェスト版】