2 経過観察を行う際に必要な診療施設
 複雑先天性心疾患は,心臓形態,病態が特殊であり,小児循環器科医が修復術後も継続して診る必要がある.しかし,成人先天性心疾患は,心不全,不整脈,突然死,妊娠出産,就業,心理社会的問題など成人心疾患の分野と共通した問題点が多い.さらに,加齢とともに,一般成人と同様,生活習慣病,消化器疾患,泌尿器科的疾患などの疾患も少なくない.このように,成人先天性心疾患は,小児科医のみが扱う疾患ではなく,成人の疾患にも習熟した,循環器科医との共同診療が不可欠と考えられている(レベルC).また,成人を中心とした診療形態,あるいは,成人期まで継続して診療を行える診療施設が必要である(レベルC).他科との連携が不可欠であるという成人先天性心疾患の性格から,中心となる診療施設は,総合病院あるいはこれと連携可能な病院を中心に開設する必要がある.
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Ⅰ 総論 > 10 診療体制:経過観察 > 2 経過観察を行う際に必要な診療施設
 
先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
(2012年改訂版)

Guidelines for Management and Re-interventional Therapy in Patients with Congenital Heart Disease Long-term after Initial Repair(JCS2012)
【ダイジェスト版】